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同窓会について

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会長・学校長挨拶

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会長挨拶

創立150周年を迎えるにあたり

都丸 正樹(昭和44年卒)

会員の皆様には日頃より同窓会活動そして桑の弓育英会に深いご理解とご支援を賜っていることに対しまして、心より厚く御礼を申し上げます。

本年度の同窓会活動は、本部の総会、記念講演会、懇親会を中心に同窓会誌第64号の発行をはじめ、計画通りの事業を展開することが出来ました。また各支部におきましても活発な活動が行われ、同窓生相互の親睦を深められていることに感謝申し上げます。

さて、前橋中学校が1877年(明治10年)第17番中学利根川学校として開校以来、2年後(2027年)に創立150周年を迎えることになりました。明治10年といえば大政奉還から僅か10年、世の中がまだまだ混沌とした時代に、「開け行く世に魁けて……男児の粋をあつめたる我らが前橋中学校(高等学校)」と校歌に謳われるように、幾多の困難と変遷を乗り越え3万7千人を超える卒業生が国の内外において活躍されてきました。150年を迎えるにあたり、建学の精神を紐解き誇るべき伝統をしっかりと後世に引き継ぐ記念事業を展開してまいりたいと思います。

昨年同窓会、学校、PTA、母の会による記念事業準備委員会を発足させ、記念誌、記念事業、式典、講演会、祝賀会を主な事業として協議を進めていますが、昨今の諸物価高騰の折から予想以上の事業費が予想されます。内容を更に吟味し皆様のご理解をいただきご支援を心よりお願い申し上げます。

ところで、本誌でも報告をさせていただいておりますが、年会費納入者数が年々減少する一方諸物価の高騰により令和5、6年と実質赤字決算となり特別会計準備金を取り崩している状況です。昨年財政健全化に向けたプロジェクトを発足し、近県名門校の状況を参考にするなどあらゆる角度から検討を始めました。

次に桑の弓育英会でございますが、こちらは皆様から昨年度を超えるご寄付を頂戴し、16名に奨学金と25件の部活動支援金を支給させていただきました。

皆様には年会費、総会会費、桑の弓育英会寄付、150周年記念事業寄付とお願いばかりではございますが、150年を迎える母校のさらなる発展、次代を担う現役生徒への力強い支援を重ねてお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。

学校長挨拶

前高生、世界に飛び立て!

天野 正明(昭和59年卒)

同窓会員の皆様には、日頃から、本校の教育活動に御理解・御協力いただき、また、様々な面から多大なる御支援を賜り、誠にありがとうございます。

さて、日本の若者は内向き志向が強く、海外への興味・関心が少ないなどと評されることがよくあります。米国や中国などの他国と比較して、海外留学を希望する若者の割合がかなり低いという調査結果もたびたび目にします。今後ますますグローバル化が進み、日本国内でも多文化共生が求められる中、このような傾向は早期に変えていく必要があると思います。私は、前高こそが、県内の他校に先駆け、生徒の海外留学を積極的に推進し、現状を打破していくべきだと考えています。

多感で感受性の強い高校生のうちに一定期間外国で生活することで、多様な価値観や異文化を尊重する態度が身に付くとともに、自国の文化についての理解も更に深まります。特に、引率の教員や添乗員に見守られ、仲間と一緒に決められたプログラムの中で行動する短期海外研修と違い、1年間留学すると、異国でハプニングや困った問題に次々と直面するでしょう。それらに対しては、基本的に自分で行動を起こし、自力で解決していかなければなりません。当然、リスクも伴いますが、その過程で、行動力や課題解決能力、自立心、主体性、柔軟性、適応能力などが養われ、人間的に大きく成長できるはずです。

本校では、昨年度、教員のプロジェクトチームを立ち上げ、民間の関係機関とも連携しながら、校内に留学の気運を醸成する取組を開始しました。今年度は、新1年生を対象に、更に本格的に推進していく予定です。そして、近い将来、毎年何人もの生徒が留学にチャレンジし、延いては、高校卒業後、海外の大学に直接進学する生徒を輩出できる学校にしたいと考えています。

ところで、太平洋戦争末期の首相であり、前中・前高同窓会の縁故者でもある鈴木貫太郎は、明治14年に群馬県中学校(現前高)に入学しますが、ある朝、「日本の軍艦がオーストラリアに行って大歓迎を受けた」という新聞記事を目にし、海軍に入って外国に渡ることを夢見るようになり、中学校を2年余りで中退し上京します。鈴木は、将来国のリーダーとなるために、自分の目で世界を見ておきたいと考えたのでしょう。日本の未来を背負って立つ本校の生徒たちには、百数十年前に自分たちの先輩が発揮した進取の気性を見習い、積極的に海外へ飛び立ってほしいと強く願っています。